教育雑記帳

2013年早生まれ男子のママ。英語教育、理数教育、親の観点から読むビジネス書についてゆるく書いています。

【おかねの教育】ドラえもんを入口に知る、お金の世界と経済の仕組み2冊

 息子は3歳の時から大のドラえもん好き。いとこからのお下がりもあり、我が家にはドラえもん本が大量にあります(てんとうむしコミックス全45巻、ドラえもんプラス全6巻、その他長編映画の漫画やひみつ道具事典、学習漫画の類まで)。そんな、ドラえもん好きな子供達向けに書かれたシリーズからお金に関する本を2冊紹介します。

 

ドラえもん 社会ワールド お金のひみつ』日本公認会計士協会東京会・監修、藤子  F 不二雄・作、藤子プロ 小学館(2014/3/18)

 

おすすめ度: ★★★☆☆

対   象: 親&子ども

 

 この本では、お金にまつわる、のび太の失敗やひみつ道具が登場するお話を入口として、各テーマに沿った解説が後に続く形式となっています。

 

 具体的なテーマとしては、お金の歴史から始まって、貨幣の誕生、経済の仕組みや税金・為替、お金に関わる職業などを解説しています。また、おこづかい帳の付け方やクレジットカードの注意点、節約術まで触れており、身近な事柄として理解することができそう。

 

 自分の生活にも関連するんだ、という感覚を持てなければ、教科書にマンガが添えられただけのように見えたでしょう。子供にとって、お金自体は身近ですが、経済の仕組みや税金、為替に至っては、書かれている解説は退屈だと思います。解説部分の字は小さく漢字が多く、内容も無味乾燥。マンガ部分だけを読んでおしまい、となるのでは?ただ、繰り返し本を手に取るうちに、解説部分にも目を向けるようになるかもしれません。そして、ある時、学校の教科書で経済の仕組みを勉強する段階になって、この本のマンガ部分と解説を思い出してくれるかもしれない、と思いました。

 

 本の内容を十分に吸収できるようになるのは、ある程度の年齢になってからと思われます。しかし、貨幣の歴史や世界のオモシロ貨幣の紹介、おこづかい帳や節約術については小学低学年からでも楽しんだり理解できそう。また、マンガの枠外にあるお金のひみつQ&Aや、随所に出てくる雑学的なものも面白く読めます。

 

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ドラえもん 社会ワールド 経済がよくわかる』日本公認会計士協会東京会・監修、藤子  F 不二雄・作、藤子プロ 小学館(2019/1/25)

 

おすすめ度: ★★★☆☆

対   象: 親&子ども

 

 2014年に出版された『お金のひみつ』が子供にとってより身近な「お金」というテーマを扱っていたことに対し、こちらはより広い視点で「経済」の概念を解説しています。前作と同様、まずはテーマに沿ったドラえもんのマンガを読んだ後に詳しい解説が教科書調で続きます。

 

 自分が何かを欲しいと思い、買い物をしたりレストランに行くことも経済活動の一部、という導入から始まるので、子供にも理解しやすいと感じました。人の「欲しい」という気持ち(=ニーズ)に応えるためにモノを生産する人(=生産者)がいて買う人(=消費者)がいる。さらに、経済活動は世界中で行われていること(貿易の話)、経済の三主体(=政府・企業・家計)の説明、税金や健康保険・年金制度・社会保障制度についても触れています。また、仮想通貨、無人コンビニ、顔認証決済、クラウドファンディング、AIによる株取引、ベーシックインカムなど、2019年時点で新しいと思われるテーマについても論じられています。

 

 マンガに続く解説部分だけを見ると、個人的には前作よりもこちらの方が新しいテーマも取り上げている分、面白く読めました。内容的には、より俯瞰的に社会を見る目が必要なので、中高生くらいでなければ難しいと感じます。株式会社の仕組みなどについては、むしろ小説などのほうが具体的にイメージできてわかりやすいと感じました。ある程度の年齢になってからと思われます。しかし、我が家では小学1年生の息子と買い物に行く際には消費税の話、病院に行く時は健康保険の話をするので、漠然とながらも、そういうものがあるんだ、くらいには理解してくれたようです。こちらの本でも、マンガの枠外にある経済クイズQ&Aや、随所に出てくる雑学的なものも楽しめます。