教育雑記帳

2013年早生まれ男子のママ。英語教育、理数教育、親の観点から読むビジネス書についてゆるく書いています。

【おかねの教育】おすすめ絵本2冊!子供と一緒にお金や社会を考えるヒント

 ほぼ毎日、近くの紀伊國屋に寄り道してザッと新刊本の表紙をチェックしていることもあり ^^、割と敏感に世相をキャッチしているつもりの私は、ものすごいスピードで時代が変わっていく!その面白さを実感しています。と同時に、その速さに漠然とした不安を持つ人が更に増えているのも同様に感じます。

 

 昨今のベストセラー本や話題になった有名人の発信内容などを見ていても、お金や生き方、働き方について、基本的な考え方がどんどんアップデートされているような気がします。なんとなく上の世代の働き方や生き方をモデルに将来像を描けると思っていたら、そんな時代はもう過ぎ去っているぞ、という理解は必須。

 

 特に“子供にとってのお金と教育”の分野では、その考え方は親世代の頃と現代は真逆に!昔は、子供の頃からお金や投資に強い興味を示すと大人に眉をひそめられたりしたものですが、今は通用しない古い思考です。

 

 次世代の子供達が少しずつお金や社会のことを知り、自分で考えながら成長してもらうために、私自身が色々と吟味してヒントを得ているオススメ本を、ブログ内で少しずつ紹介していきます。

 

 まずは、ユーモラスな絵がかわいい絵本を2冊。ぜひ子供と一緒に読み、ニュースについても話してみたい、世界一簡単な経済のお話です。

 

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『レモンをお金にかえる法 “経済学入門”の巻』ルイズ・アームストロング・著、ビル・バッソ・絵、佐和隆光・訳

 

おすすめ度: ★★★★★

対   象: 親&子ども、中高生

 

絵がユーモラスで可愛らしい、子供向けの絵本です。本文わずか30ページ(文字があるのはその半分)で、5分ほどで読み終わってしまいますが、企業活動の仕組みがぎゅっと詰まっています。

 

主人公の女の子は、レモンと砂糖と水からレモネードを作り、自分で値付けして友達に売ります。ここまでは、子どもたちがよくする「お店やさんごっこ」でも経験しますよね。ところが、この絵本は、さらに続けます。

 

商売をはじめるための初期投資、資本の出どころなども説明されます。さらに、従業員の雇用、労働争議、調停、競争、価格戦争、利益の減少にまでいたります。最終的に、合併をし、レモネードが売れなくなるとお店をやめて資産を流動化。主人公は借りたお金を返したあとに残ったお金でバカンスを楽しむ、というハッピーエンドで終わります。

 

子どもと一緒に読むと、小さいうちから商売の基本を知ることができそう。絵本ですが、さらっと経済の仕組みをおさらいでき、中学生以上でも楽しめると思います。商売を頑張ってうまくいけば、素敵なバカンスを楽しめる!という終わり方も、希望を見せてくれて嬉しいです。

 

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『続・レモンをお金にかえる法 ”インフレ→不況→景気回復”の巻』ルイズ・アームストロング・著、ビル・バッソ・絵、佐和隆光・訳

 

おすすめ度: ★★★★☆

対   象: 親&子ども、中高生

 

『レモンをお金にかえる法』の続編です。翻訳者の解説によると、前作が基本的な経済学用語の意味を解き明かすことがねらいだったのに対し、本作は景気変動の仕組みを描いているとのこと。やはり、本文わずか30ページほど。前作よりは文字数が増えているものの、大人だと10分弱で読み終わってしまいます。

 

絵本の中で、景気変動が起きる仕組みのが描かれます。低学年の子には少しわかりにくい難しい用語も、「みんながレモネードを飲みたいから"需要が減らない"」とか、「レモンの不作で"原料の供給が減った"」というように、イメージしやすい表現で説明がなされます。

 

絵本では、需要と供給の不均衡によりレモネードが値上がりし、大好きなレモネードを買うために子供たちもそれぞれが提供する商品やサービスを値上げしたり昇給を要求したりします。そうして物価が上がる、つまり、インフレーションの仕組みの説明です。この後、大人たち(=政府)が様々な対策を取ってインフレーションをおさめたり、落ち込んだ景気を回復に導く様子も説明されています。登場する用語や概念としては、失業、倒産、不況、失業保険、新しい仕事の創出、中小企業への融資などです。

 

この絵本を読んでいれば、テレビ等で耳にするニュースの経済用語の意味がわかり、漠然とでも社会の仕組みについて理解を進めることができるかもしれません。

 

個人的には、ケインズ経済学以外の対策も説明しないのだろうか?という思いもあり、おすすめ度は★4つとしています。

 

単独でも読める作品ですが、『レモンをお金にかえる法』を先に読むことをお勧めします。さらっと読めますが、前作同様、用語や仕組みのおさらいができるという意味で、中学生以上でも楽しみながら学べそう。

 

話は横道に逸れますが、我が家の息子はボードゲームが大好き。中でも、今は人生ゲームにどハマり中です。人生ゲームには様々なバージョンがあり、2017年発売の「人生ゲーム MOVE!」は景気変動がプレーヤーの人生に影響する様を反映させています。ゲーム中の景気の良し悪しとプレーヤーがもらえる金額の多寡がなぜ関係あるのか、息子は興味を示していませんでしたが、良い機会なので一緒に読んでみました。まあ、6歳児にはすぐには理解できないと思いますが、ゲームを思い浮かべ、なんとなくわかったような(?)顔をしていました。